ガイド
スマホ写真を拡大すると汚く見える理由と、直せること
スマホ写真はスマホの画面ではきれいに見えます。ところが拡大したり、モニターで開いたり、印刷したりすると、多くの写真が崩れてしまいます。塗りつぶしたような質感、ギザギザの輪郭、ザラザラの影、まだらな肌。これはスマホの故障ではありません。とても小さなカメラできれいな写真を作り出す、スマホのしくみから来ています。このガイドでは原因をひとつずつ説明し、あとから補修できるのはどれかを紹介します。
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小さなセンサーは光を集めにくい
スマホのセンサーは、専用カメラのセンサーより何倍も小さく、画素もずっと小さくなっています。1つの画素が受け取る光が少ないのです。光はランダムに届くため、受け取る光が少ないほど、画素の測定値は本来の値からばらつきます。このばらつきがノイズです。ランダムなザラつきや色の斑点で、影や薄暗い場所でもっともひどくなります。
昼間は光が十分にあるので、ノイズは小さいままです。室内や夕暮れ、夜になると急に増えます。スマホはそれに対処しなければならず、その対処こそが、このガイドで取り上げるほかの問題の大半を引き起こしています。
ノイズリダクションがディテールをつぶす
ノイズを隠すために、スマホは強いノイズリダクションをかけます。ランダムなザラつきを取り除くいちばん単純な方法は隣り合う画素を平均することですが、そうするとザラつきに似た細かなディテールまで平均されて消えてしまいます。髪、草、布、肌のきめ、遠くの木の葉などです。最近のスマホは単純な平均よりも賢く、多くは複数のコマを合成します。それでも暗い場所では、ザラつきを残すか、塗りつぶしたようにするかを選ばなければならず、たいていは後者を選びます。
その結果は、水彩画や油絵のような見た目とよく呼ばれます。質感のある部分が、柔らかく不規則な輪郭の平らなまだらになってしまうのです。スマホの画面では見えず、100%表示にするとはっきりわかります。顔はロウのように、木の葉は絵の具で描いたように見えます。
過剰なシャープ処理がにじみを加える
なめらかにしたあと、スマホは小さな画面でくっきり見えるよう画像をシャープにします。シャープ処理はエッジに沿ってコントラストを上げます。強くかけると、エッジの片側に明るい縁取り、反対側に暗い縁取りが残ります。空を背景にした枝や文字のまわり、建物に沿って、この縁取り(ハロー)が見えます。エッジはギザギザになり、その間の塗りつぶされた部分は柔らかいまま。この奇妙な組み合わせが、拡大したときに低画質に見える原因です。
HDRとトーンマッピングが見た目を変える
スマホは、明るい空と暗い影の両方が見えるよう複数の露出を合成し、その幅広い明暗を画面で表示できる範囲に収めます。これがHDRとトーンマッピングです。スマホ写真で空が白飛びすることが少ないのはこのためで、たいていは良いことです。
ただし副作用もあります。明るく持ち上げた影には目に見えるノイズが増え、それをノイズリダクションが塗りつぶします。強い局所的な調整は、スカイラインのまわりの光のように、明るい部分と暗い部分の境目にハローを生みます。露出の間に何かが動くと、合成で二重像が出ることがあります。そして全体として、実際の場面よりコントラストの低い平板な見た目になることがあります。
スマホでの圧縮と、そのあとの圧縮
スマホは写真を圧縮形式(通常はJPEGまたはHEIC)で保存します。標準の設定なら劣化はわずかです。大きな劣化はたいていそのあと、チャットアプリやSNSが写真を縮小・再圧縮するときに起こります。そのたびにJPEGノイズが加わります。ブロック、にじみ、段差のついたグラデーション、にじんだ色です。何度も転送された写真には、カメラ自体の処理の上に、この劣化が何回分も重なっています。それぞれの種類はJPEGノイズのガイドで説明しています。
デジタルズームはトリミングと同じ
スマホのレンズの範囲を超えてズームすると、スマホはセンサーの中央をトリミングして拡大します。少ない実際の画素が写真全体に引き伸ばされるので、ディテールは急速に失われます。ズーム撮影に複数コマの合成やAI処理を使うスマホもあり、効果はあるものの、特に暗い場所では先ほど説明した絵の具のような見た目になることがあります。複数のレンズを持つスマホは決まったズーム倍率で望遠側のレンズに切り替わり、その倍率では途中の倍率よりずっときれいに写ります。
そのほかのよくある原因
ほかにも知っておきたい原因がいくつかあります。
- 被写体ブレ・手ブレ:薄暗い場所ではスマホは露光時間を長くするので、動く被写体や手の揺れで画像がブレます。
- ピンぼけ:違う場所をタップしたり、被写体がレンズに近すぎたりすると、肝心な部分がぼやけます。
- レンズの汚れ:指紋が付いていると、かすみや光のまわりのにじみが生じます。撮る前に拭きましょう。
- レンズの甘さ:小さなレンズは、特に超広角カメラで、隅にいくほどシャープさが落ちることがよくあります。
あとから直せること
適切なツールを選び、サイズを変えない補修を拡大より先に行えば、これらの問題のいくつかはしっかり直せます。
- 暗い場所でのザラつき、色ムラ、塗りつぶし:高画質化はまさにこのためのものです。ノイズと圧縮劣化をまとめて取り除き、スマホがつぶしてしまった部分に自然な細かい質感を補います。手順はザラつく夜景写真のページで説明しています。
- LINEやWhatsAppなどのチャットアプリで画質が落ちた写真:こちらも高画質化です。LINEで落ちた写真の画質を直す方法をご覧ください。
- 軽いザラつきしかない良い写真:こちらも高画質化です。すでにきれいな写真ならほぼそのままの状態で返すので、試して失うものはありません。
- スクリーンショットや文字の写真:高画質化で圧縮劣化を取り除くことはでき、検出した文字は描き直さずに保護しますが、当社のどのモデルも書類向けではありません。撮り直したものや元のファイルのほうが確実です。
- 低解像度、大きくトリミングした写真、古いスマホの写真:先にきれいにしてから、4倍拡大で拡大してください。1.25 MPまでのごく小さな画像なら8倍拡大も使えます。
確実には直せないこと
スマホのノイズリダクションがすでにつぶしてしまったディテールは失われています。補修では、まだらをきれいにし、そのまわりのエッジをシャープにできます。高画質化を含め、質感を補うツールは自然に見える質感を生成します。それはもっともらしいものであり、そこにあった芝生や髪そのものではありません。思い出の写真なら問題ありませんが、証拠には使えません。
強いモーションブラー、大きく外れたピント、ディテールがまったく残っていない白飛び、強いHDRのハロー、極端なデジタルズームも補修できません。読めない小さな文字は読めないままです。こうしたものは、撮影時に対策するしかありません。
そもそもきれいなスマホ写真を撮るには
どんな補修よりも、予防のほうが効果があります。
- 光を足しましょう。小さなセンサーにとって、光を増やすことがいちばん大きな改善です。
- 特に室内や夜は、スマホをしっかり持つか、何かに置いて固定しましょう。
- 途中の倍率にズームするのではなく、スマホに内蔵されたレンズの倍率を使うか、近づいて撮りましょう。
- レンズを拭きましょう。
- 大切な写真では、スマホにRAWや処理の少ないモードがあれば試してみましょう。
- 元の写真を共有し、メッセージアプリではHDや書類として送るオプションを使いましょう。
ツールを試す
登録もカードも不要で、1日3クレジットを無料で使えます。1枚の写真を1つのツールで処理すると1クレジット、8倍拡大は2クレジットです。無料プランでアップロードできるのは3 MB・8 MPまでのJPG、PNG、WebPで、処理結果には透かしが入ります。Pro(月額9.99ドル、200クレジット)とPro+(月額19.99ドル、500クレジット)では透かしがなくなり、20 MB・30 MPまでアップロードできます。アップロードした画像と処理結果は24時間以内に削除され、AIの学習に使われることはありません。HEICには対応していないため、iPhoneの写真は先にJPGで書き出してください。
高画質化
ノイズ、圧縮劣化、軽いぼやけをサイズそのままで補修
よくある質問
スマホ写真を拡大すると汚く見えるのはなぜですか?
小さなセンサーはノイズを生み、スマホはそれを強いノイズリダクションとシャープ処理で隠します。これが細かなディテールをつぶし、ハローを加えます。共有時の圧縮やデジタルズームがさらに劣化を重ねます。
夜の写真が絵画のように見えるのはなぜですか?
暗い場所では、スマホのノイズリダクションがザラつきと一緒に細かな質感も平均して消してしまい、柔らかい輪郭のなめらかなまだらが残るからです。
スマホ写真がカメラの写真より見劣りするのはなぜですか?
専用カメラははるかに大きなセンサーを持ち、より多くの光を集めるので、ノイズリダクションやシャープ処理が少なくて済みます。レンズもたいてい優れています。
ザラザラのスマホ写真は直せますか?
はい。高画質化はザラつき、色ムラ、圧縮劣化を取り除き、スマホがつぶした部分に自然な質感を補います。その質感はもっともらしいものであり、元のディテールそのものではありません。
補修すると不自然な写真になりませんか?
よくある劣化したスマホ写真なら、そうはならないはずです。すでにきれいな写真なら、高画質化はほぼそのままの状態で返します。印刷や公開の前に、顔と文字を100%表示で確認してください。
スマホのデジタルズームは良くないのですか?
デジタルズームは画像をトリミングして拡大するので、ズームするほどディテールは落ちます。スマホに内蔵されたレンズの倍率を使うか、近づいて撮るほうがきれいに写ります。
過剰なシャープ処理によるハローは取り除けますか?
軽いハローなら軽減できます。強いハローやHDRによる光のにじみを、本物のエッジに影響を与えずに確実に取り除くのは困難です。